床の間に飾りたいものがあるんです。

お客様にご来店いただき、お伝え頂きましたお言葉でした。本来繧繝縁はその使用場所などで、どこでも使ってよいというわけではないと学んでいますが、お客様のお宅にて、立派な床の間があり、その中に厚畳を敷きたい！というご要望の中で、繧繝縁の歴史背景のお話や様々お話させて頂く中で、ご依頼頂きました。

製作は有職の工法に基づき、四方の上敷きを製作した後に、下から立ち上がってきた繧繝模様と合わせています。

「繧繝縁（うんげんべり）」
この繧繝縁（うんげんへり）とは、雛人形でおなじみのカラフルな模様の縁で
天皇・上皇・皇后などが用いるものとされました。又神仏像などでも用いられています。畳縁の中で位が一番位が高く、その気品ある趣きにとても神々しい美しさを感じます。
同じ色を濃から淡へ、淡から濃へと層をなすように 繰り返す彩色法。中国西域から伝わり、主に宝相華(ほうそうげ)などの文様を表す。赤・ 青・緑・紫などの色を用い、奈良・平安時代の仏画、寺院の装飾や染織などに用いられました。繧繝による彩色の間に花・鳥・菱(ひし)などの文様を配置した錦を繧繝錦と呼び、その錦を使った縁を繧繝縁と呼びます。

お客さまの課題

• 床の間に繧繝縁の厚畳を敷きたい

金井畳店からのご提案

床の間の大きさや、飾るものの大きさを配慮して、サイズをお客様とお打ち合わせ致しました。上敷きゴザの繧繝模様の出し方も、サイズ感に合わせて縁巾を調節し、有職工法に基づいての製作となります。

施工写真

納品時に床の間を眺めながら様々お話しできた事、とても嬉しく思います。今後も精進を重ねて、いつかまたさらに研鑽した自分で今回の畳に向き合わせて頂きたいと存じます。この度は御注文誠に有難うございました。